エジプトと香料の歴史

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エジプトと香料の歴史
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エジプトと香料の歴史

香りの歴史は古く、BC3000年頃始まった、古代エジプトにまでさかのぼります。「香り」を表す「Perfume」はラテン語の「PerFumum」(煙によって立ち昇る)が語源であると言われています。火によって生じる煙は、香りとともに天に昇っていき、それがどこか、神と通じるものがあったそうです。

古代エジプトでは、香料は神聖で悪を排除し、悪から身を守るものとされ、神への供物の防腐目的として、また宗教的な目的に多く利用されていました。

また一方で、香りの持つ神秘的な力は宗教的な目的のみに留まらず、特権階級の人々の間では、権威を表す小道具のひとつとして、また人々を魅了する美容目的でも使用されていました。

ミイラと没薬ミルラ

没薬(もつやく)とは、フウロソウ目カンラン科コンミフォラ属(ミルラノキ属)の樹木から分泌される樹脂のことで、ミルラ(あるいはミル、Myrrh)とも呼ばれています。ミルラも中国で命名された没薬の没も苦味を意味するヘブライ語のmor、あるいはアラビア語のmurrを語源としています。

コンミフォラ属の樹木はインドから南アラビア、東アフリカ、マダガスカルに分布していて、これらの樹皮から分泌される樹液は、空気に触れると赤褐色の涙滴状に固まり、表面に細かい粉を吹いたような状態となる。ギリシア神話においては、ミルラノキはアドニスの母であるキプロスの王女ミュラが変身させられた姿であり、その流す涙が没薬であるとされている。商業的な生産には樹皮に傷をつけてそこから分泌される樹脂を集めたり、樹皮をはいでその下の樹脂層をかきとる方法が行われる。

古くから香として焚いて使用されていた記録が残されている。また殺菌作用を持ち、鎮静薬、鎮痛薬としても使用されていました。古代エジプトにおいて日没の際に焚かれていた”香”であるキフィの調合には没薬が使用されていたと考えられています。またミイラ作りに遺体の防腐処理のために使用され、ミイラの語源はミルラから来ているといわれています。

古代エジプトでは、人は死んでもその人の魂は残り、いずれその肉体に戻ると考えられていた為、遺体を永久的に保存する必要性がありました。そこで、永久保存のために使われた代表的なものが『ミルラ(没薬)』です。このようにミルラが使われていた事が、ミイラの語源となったと考えられています。また、ミイラに使うだけではなく、お墓のミイが眠る部屋を香らせるために使われたとも言われています。

クレオパトラと香り

古代エジプトプトレマイオス朝最後の女王クレオパトラ(クレオパトラ7世、BC69-BC30)ユリウス・カエサルやマルクス・アントニウスというローマ帝国屈指の英雄を魅了したと言われている絶世の美女。美女だったかどうかは、現在では色々な説がありますが、バラやムスクなど香りをこよなく愛したと言われています。

紀元前1世紀頃の古代エジプトでは、香料産業が発達し、近隣国との貿易も盛んに行われていました。クレオパトラは自分専用の香料工場を持ち、毎日、バラの香水風呂に入り、寝室にはバラの花を敷き詰めていたそうです。1回に使う香料は現在の価格にして数十万円だったとか。
バラにムスクなどの動物性香料をブレンドした香油を体に塗り、多くの男性を虜にしたといわれています。
また、クレオパトラが乗った船はバラの香りが漂い遠くからでも、クレオパトラの船だとわかったそうです。自国の代表的な香料産業を内外に示すため行っていたという説もあります。

ツタンカーメンと香油

1922年、ツタンカーメン王(紀元前1344年頃)のミイラが発見された時、ツタンカーメン王の石棺のふたを開けると、中にあった壷があり、その香油ツボを開けると、なんとも芳しいエニシダの花のような香りが、3000年以上も経っても、香りを保っていたそうです。ツタンカーメン王とアンケセナーメン王妃の幼いカップルが、仲睦まじく愛し合って暮らしていたことが様々な彫像や調度品に描かれています。

中でも有名なのが、黄金の玉座の背もたれに描かれた浮き彫りです。椅子に腰掛けたツタンカーメンにアンケセナーメンが香油を塗っている様子を描いており、サンダルを片方ずつ履いて仲の良いことを示している。また、ツタンカーメンの石棺の蓋を開けた時、ツタンカーメンの額のそばに供えられていた。矢車草の花束を発見したが、これはアンケセナーメンが若い夫に捧げた最後の贈り物だったとされる。

古代エジプトファラオ時代に行われていた抽出法

油脂吸着法(油脂に芳香成分を吸わせる)
脱臭した動物油脂などに植物を添加して精油を吸着させたのち、エタノールで精油のみを油脂から抽出する古典的な方法。
古代エジプトの時代から行われていた熱を加える温浸法(マセラシオン)と、ルネサンス期に開発された室温で行う冷浸法(アンフルラージュ)がある。
精油を吸着した油脂はポマードといい、そこからエタノールで抽出された精油はエキストラクト(エキス)更にそこからエタノールを蒸発させて除去したものはアブソリュート(Abs.)と呼ばれる。
冷浸法では熱による変質の無い非常に高品質な精油が得られるが、時間と手間が掛かりすぎるため現在では行われていない。

冷浸法(アンフルラージュ)
ジャスミンやバラなど、主に花から精油を抽出する場合に使われる方法。動物性脂肪や植物油を塗ったトレーに花びらを並べて載せ、花びらに含まれる精油をトレーのオイルに吸収させる。その後、トレーに塗った動物性脂肪・植物油から精油を分離し純化させる。